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土地の売却時に知っておきたい「測量」の基礎知識

この記事をザックリいうと


「現在住んでいる土地付きの戸建てを売却したい」

「相続で土地を譲り受けたが使わないので売却したい」

など、さまざまな理由で土地の売却を検討されている方がいるでしょう。


土地を売却する際には、土地について明確にしておくべき事項がいくつかあります。そのために行うのが土地の「測量」です。

測量を行う意味や測量の内容、必要な費用や測量の手順など、土地の売却をスムーズに行うためには必須となる、「測量の基礎知識」をわかりやすく解説していきます。


この記事の対象者


『土地を売却するには測量は絶対必要なの?』

『測量の費用はどれくらいかかるの?』

『古くからの土地で隣との境がわからないけど、測量はできるの?』


など、土地の売却時に行う「測量」について、さまざまな疑問をお持ちの方。

先々、土地付き住宅の売却や、購入を検討している方、

将来的に土地を相続する予定がある方なども、

基礎的な知識として是非ご一読ください。


【目次】

1.   土地の売却時に測量が必要なワケ

2.   測量の種類

3.   測量にかかる費用の相場は?

4.   測量は誰に依頼するのか?

5.   測量の流れと期間は?


土地の売却時に測量が必要なワケ


土地の売却時に測量を行うことは、法的に決められているわけではありません。

「絶対に測量をしなければいけない」などという決まりはありません。

あくまでも測量は土地の所有者の任意になります。


しかし、測量をしていない土地は購入を検討している人にとって不安な要素が多く、購入の決断がしにくいものです。

その他にも、土地の売却時に測量をしておくべき理由がありますので、ひとつずつ解説していきます。


土地の境界をめぐるトラブルを避ける

基本的に土地の情報は、法務局で発行してもらえる「登記簿謄本」で確認することができます。

登記簿謄本には、土地の面積・境界線・権利関係(所有者の名前)などが記載されています。


しかし、昔からの古い土地などは登記簿謄本の情報が古く、現在の状況と違っていることも。

中には、登記簿謄本や測量図が残っていない場合もあります。

また本来であれば、土地の境界を示す印として「杭」などでマーキングがされているものですが、経年で境界の杭が抜けていたり、位置がズレていたりするケースも多く見受けられます。


そのため隣接する土地の持ち主と、境界をめぐるトラブルになるケースも多いのです。

そのようなトラブルを避けるために、土地の売却をする際には事前に測量をおこない、隣接地の所有者にも同意を得た上で「境界確認書」などを作成します。


土地の面積を明らかにする

土地の測量を行うもう一つの重要な意味は、正確な「土地の面積」を明示するということです。

面積によって土地の売買価格が決まるので、一番重要なポイントになるのです。

しかし以前は、登記簿謄本に記載されている面積(公簿面積)で土地の価格を決めて売買をしていました(公簿売買)。


しかし今は、土地の境界を確認した上で測量をおこない算出した「実測面積」によって土地価格を決めて売買する「実測売買」が一般的になっています。

土地の正確な面積が明らかになっていれば、売り手も買い手も損をすることがないので、安心して売買ができます。


※公簿売買について・・・

公簿売買は、登記簿謄本に記載された面積で双方が納得して売買契約を結びます。

そのため、契約後に実際の面積に誤差があった場合でも、買主・売主とも売買代金の減額や増額を求めることはできません。


測量をしないケースもある

土地価格が低い地方エリアの土地売買では、測量はおこなわず公簿面積で取引きをするケースがあります。

地方の土地は一般的に面積が大きく、測量費用が高額になってしまうからです。


また地価が安いため、多少面積の誤差が生じても価格に大きな影響がないのです。

首都圏の土地は地価が高く、たった1㎡の誤差でも売却価格が何十万円も違ってきます。

そのためしっかりとした測量が求められるのです。


測量の種類


土地の売却前に行う測量は、「土地境界測量」と呼ばれ、土地の境界を調査・確認の上、境界の確定をおこない測量図を作成するためにおこないます。


境界を確定するには、土地の所有者と隣接する土地の所有者が現地で立ち会い、実際の境界を確認します。

お互いに問題がなければ、境界確認書に署名・捺印をします。

境界杭が無い場合は、関係者一同が確認する中で新しい境界杭を設置します。


その他の測量

・現況測量・・・

新築住宅を建築する前などに行う場合が多い。現在の土地の状況(現況)をそのまま反映させた測量。ブロック塀や建物、境界杭など、現在存在しているものをそのまま測り、おおよその寸法や面積を求める測量方法。


・地積測量・・・

法務局に土地の表示登記や分筆登記を申請するときに行う。

精密な測量方法によって、土地の面積や土地の形状を測量する方法。

※土地を分筆して売却する場合には、地積測量をおこない「地積測量図」を作成してもらいます。

法務局で土地の分筆登記をする際に、申請書に添付が必要です。


測量にかかる費用の相場は?


さて、気になる測量の費用ですが、地域や土地の広さによって異なり、一概には言えませんが一般的には30~50万円程度が相場と考えておけばいいでしょう。


費用が高くなる場合もある

土地の形状や立地、権利関係の問題などで測量費用が通常よりも高額になってしまうケースもあります。


例えば・・・

・土地の形(地形)が複雑

・土地が広い

・隣地の所有者とトラブルになっている


などの場合、測量に手間や時間がかかるため費用が高くなります。

一般的な土地よりも広い場合、~200坪位までは80~150万円、

~1000坪位になれば100~200万円の費用がかかります。


また、隣地が市有地や国有地などの場合は注意が必要です。

国有地の測量は、国が定めた調査工程をクリアしなければならないため、専門的な測量技術が必要になります。

測量を依頼できる業者も限られてくるのです。

一般的な測量よりも手間や時間が非常にかかり、費用も2倍程度跳ね上がります。60~80万円程度の費用をみておいた方がいいでしょう。


測量費用は誰が負担する?

測量費用については、売り主が負担するか買い主が負担するか特に決まりはありません。

双方で話し合って決めてもいいでしょう。


しかし土地の売買では「売り主側」、つまり「土地の所有者」が負担することが一般的です。

土地を売り出す前に測量をおこない、境界や面積をきちんと確定しておくことで、購入検討者に安心感を与えることができます。


購入後に、隣地の所有者とのトラブルに巻き込まれた、契約の面積と実際の面積に大きな相違があった・・・などという事態を避けることができるからです。


測量は誰に依頼するのか?


測量を行うには「土地家屋調査士」や「測量士」に依頼をします。

通常、土地の売却を依頼している不動産仲介業者が土地家屋調査士を手配して測量をおこないます。


業者によって測量費用に差があるため、「少しでも費用が安い業者を探したい!」という場合は、自分で土地家屋調査士を何件か探して見積もりを取り、気に入った業者に依頼をしても差支えありません。


測量の流れと期間は?


では、土地の売却のために行う測量は、どのような方法と手順で進めていくのでしょうか?

一つずつ詳しくみていきましょう。


測量の流れ

①   資料調査

法務局で売却する土地の「公図」や「登記簿」「地積測量図」の確認をします。

また、至近でおこなわれた境界確定資料をチェックし、トラブルなどの履歴がないか調べます。

このような資料上での調査が終わった段階で、おおよその測量費用が計算され、見積書が発行されます。



②  隣接地・近隣へのあいさつ

現地で測量を行う前に、測量作業をする旨を説明しながら、近隣に挨拶をおこないます。

隣接する土地の所有者にご理解を頂くことが大切になります。



③  現地測量

現地へ出向いて境界の状態を調査します。

隣地との壁やフェンスなどの状況も確認しながら測量をおこないます。


④   境界立ち会い・境界確定

土地の所有者、隣接地の所有者、不動産仲介業者など関係者が全員現地に集まって、「境界の確認」をおこないます。

国有地などが絡んでいる場合は、国有地管理者の立ち会いが必ず必要になります。


境界に問題が無ければ、関係者は「境界確定の承諾書」に署名・捺印をおこないます。

隣接している土地が1ヶ所だけであれば話は簡単ですが、隣接地が3ヶ所だとすると、3ヶ所の所有者全員の承諾が必要になります。

一人でも境界に納得しない人がいる場合は境界が成立せず、話し合いをすることになります。


また、土地の状況によっては、道路を挟んだ隣地の所有者の承諾が必要なケースもあります。

売却する土地が特殊な形状の場合には、隣地とどのように接しているか前もって確認をしておくことも大切です。



⑤   境界杭の設置

土地の関係者全員が境界の確認をおこない、承諾が得られたら境界杭を設置します。

コンクリート製の杭や金属のプレート状のものなど形状は様々です。

土地の状態に合わせて杭を埋設します。



⑥  書類の作成

測量の結果に基づいて測量図を作成し、登記申請に必要な書類などを作成します。


測量の期間

測量にかかる期間は、土地家屋調査士に依頼をしてから3~4ヶ月ほどかかります。


しかし、隣接する土地の所有者など関係者全員の承諾が得られない場合には、話し合いを行うことになります。

話し合いがこじれて長引くケースでは、境界が確定するまでに何年もかかることもあります。

予想よりも境界確定に時間がかかって、希望する時期に土地を売却できなかった・・・などということになりかねません。


隣接地との協議が長引く要因がある、隣接地の所有者が遠方に住んでいてコンタクトが取りづらいなど、懸念点がある場合には早めに測量をおこない、土地の売却へ向けて準備を進めていきましょう。













小野田コーイチ

小野田コーイチ

岡山県出身。青山学院大中退。 不動産業界に約30年。売買仲介、賃貸仲介に幅広く精通。 仲介だけでなく物件の買取、相続不動産案件、リフォーム提案、投資案件まで対応可能なマルチ・プレイヤー。 自身の不動産会社を経営した経験もあり、その知見は一般的な不動産営業マンと一線を画す。 2012年よりわくわく不動産の『専属不動産エージェント』として業界に新たな風を吹き込んでいる

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