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【マンション売却】『既存住宅売買瑕疵保険』は売却を有利にする?~知っておきたい瑕疵保険の基礎!~

この記事をザックリいうと

中古マンションの売却をするときには、「既存住宅売買瑕疵保険」の加入が物件の価値を高めてくれます。


「既存住宅売買瑕疵保険」・・・?

まだまだ一般的には浸透していない、なじみの薄い保険でしょう。

近年導入された保険ですが、これからマンションの売却をする売り主にとっても、中古マンションを購入する買主にとっても、非常にメリットのある保険です。


「中古マンションを購入した後に、もし不具合が発見されたらどうしよう・・・!」

中古マンションの購入を検討している方なら、誰もが持つ不安ではないでしょうか。

そんな不安を軽くしてくれるのがこの「既存住宅売買瑕疵保険」です。

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そうは言っても、すべての中古マンションが加入できるというわけではありませんし、すべての不具合が保険で保証されるわけではありません。


「既存住宅売買瑕疵保険」のあらましや、加入の条件、メリットなど

わかりやすくご説明していきます。


この記事の対象者

『そもそも瑕疵って何?』

『既存住宅売買瑕疵保険ってどんな内容?』

『保険は売却に必要なの?』


 ・・・という疑問をお持ちの方、

これから、マンションの売却を検討していく・・という方

いい条件でマンションの売却をしたい!

・・・という方が対象の記事になっています。


世田谷をはじめ東京都内でマンションを所有している方にも、予備知識としてぜひご一読いただきたい内容です。

  

【目次】

1.   住宅の『瑕疵』とは?

2.   『既存住宅売買瑕疵保険』導入の背景

3.   『既存住宅売買瑕疵保険』はどんな保険?

4.   『既存住宅売買瑕疵保険』に加入するメリット

5.    独自の保証をおこなっている会社もある


住宅の『瑕疵』とは?

住宅の「瑕疵」(かし)とは、大まかにいうと、住宅の「欠陥」という意味になります。

通常備えているはずの品質や性能、機能が満たされていない、つまり住宅の主要な部分に重大な欠陥がある事を指します。


例えば一戸建てであれば、「屋根部分に穴が空いていて雨漏りが発生した」「柱や壁に大きな亀裂が生じている」など。マンションであれば、「サッシなどの開閉部分に大きなズレや隙間がある」「床が大きく傾いている」など、生活に支障をきたすような住宅の不具合を「瑕疵」といいます


また「瑕疵」は、物理的な欠陥だけを指すものではありません。

「心理的な欠陥」「法律的な欠陥」「環境的な欠陥」も含まれます。

具体的にいうと、「事故や事件で人が亡くなった」「共有部からの飛び降り自殺があった」などが「心理的な欠陥」=「心理的瑕疵」になります。


また戸建てなどの場合に発生しやすいケースで、「法的な制限があり住宅の建替えが自由にできない」などは「法律的な欠陥」=「法律的瑕疵」となります。住宅の近くに「暴力団の事務所がある」「ごみ処理場があり騒音や悪臭がする」など、その物件に居住するときに弊害になる環境は、「環境的な欠点」=「環境的瑕疵」に当たります。

「既存住宅売買瑕疵保険」は「物理的な瑕疵」が保険の対象になります。


『既存住宅売買瑕疵保険』導入の背景

新築マンションの購入と比較すると、中古マンションの売買では購入後の住宅の不具合(瑕疵)に対する法律上の保証期間は短く、中古マンションの購入者にとって購入後の瑕疵は大きな不安となっていました。


その違いを見ていくと・・・


「新築マンション」の瑕疵に対する制度

新築マンションの場合、売り主と請負人は「構造耐力上主要な部分」「雨水の侵入を防止する部分」には10年間の「瑕疵担保責任」を負うことが法律で義務付けられています


また平成19年には、「住宅瑕疵担保履行法」が定められ、マンションの施工会社や販売会社が倒産などで瑕疵の責任を負えない状況が生じても、補修や仮住まいに必要な費用が支払われる制度ができました。


このように新築マンションでは、購入者を保護する法律がしっかりと確立されていて、近年では購入後の瑕疵に対する不安が軽減されています。


「中古マンション」の瑕疵に対する制度は・・・?

対して「中古マンション」では、「売り主が個人の場合」瑕疵担保責任を負わなければならない期間は、概ね引き渡しから1~3ヶ月が一般的です。

しかも契約の際の特約として、「瑕疵担保責任を一切負わない」というケースもあります。それでも法律上は全く問題がなく、有効とされているのです。


「売り主が不動産業者(宅地建物取引業者)」の場合には、瑕疵担保責任を負う期間は「宅建業法」で「引渡しから2年以上」と定められています。

ほとんどの業者は、法律を最低限クリアできる2年間を瑕疵担保責任の期間とするケースがほとんどです。


「既存住宅売買瑕疵保険」は中古住宅購入者の「救済策」

中古マンションを購入して、「瑕疵担保責任期間」が過ぎて、大きな瑕疵が発生した場合、購入者は泣き寝入りするしかありません。

そのような状況の解決策として平成22年から導入されたのが「既存住宅売買瑕疵保険」です。


この保険に加入していれば、「購入した中古マンションに一定の瑕疵があった場合、補修費用などが支払われる」という内容です。

保証の期間は1~5年間が一般的です。


「先々の瑕疵が不安で中古マンションの購入に踏み切れない」という人にとっでは、購入の後押しをしてくれるような、画期的な保険なのです。


『既存住宅売買瑕疵保険』はどんな保険?

この「既存住宅売買瑕疵保険」は国土交通省が指定した「住宅瑕疵担保保険法人」によって取り扱いされている保険です。

必ず加入しなければいけない強制保険ではなく、あくまでも任意保険という位置づけになります。


この保険の内容を一言で表現すると・・・

「保険に加入している中古住宅に、構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分に瑕疵が確認された場合、保険金が支払われる」というものです。

保険法人によっても異なりますが、特約として、給排水管設備などの保証が付けられるタイプもあります。

保証される項目は、補修費用・調査費用、転居や仮住まいが必要であれば、その費用もカバーされます。


「既存住宅売買瑕疵保険」の取り扱い会社

「既存住宅売買瑕疵保険」を取り扱う、国土交通省の指定法人は現在5社あり、保険の内容や保険料には各社違いがあります。


・(株)住宅安心保証

・住宅保証機構(株)

・(株)日本住宅保証検査機構

・㈱ハウスジーメン

・ハウスプラザ住宅保証㈱


「既存住宅売買瑕疵保険」は2種類ある

「既存住宅売買瑕疵保険」は大まかに分けると2種類あり、

「宅建業者販売タイプ」と「個人間売買タイプ」になります。


〈宅建業者販売タイプ〉

売り主が不動産会社などの宅建業者の場合には、「宅建業者販売タイプ」を利用することになります。

中古マンションを買い取った不動産会社(宅地建物取引業者)が、一般ユーザーに向けてその中古マンションを販売するときに加入できます。

保険の加入者は「売り主である不動産業者」になります。


〈個人間売買タイプ〉

売り主が個人の場合、「個人間売買タイプ」を利用します。

中古マンションの売買の場合は、ほとんどがこのケースに該当するでしょう。

「個人間売買タイプ」の場合、保険の加入者は「売り主」ではなく、中古住宅の「検査」をして住宅の「保証」をおこなう「検査機関」が加入者となるのが特徴です。


加入には検査が必要

「既存住宅売買瑕疵保険」に加入するには、「検査機関」による対象住宅の「検査」が必要になります。

定められた検査をおこなって、保険の基準に適合していなければ加入はできません


「個人間売買タイプ」の場合、中古マンションの売り主又は買主が検査機関に依頼して対象になる中古マンションの「検査」と「保証」をおこなってもらいます。

その上で検査機関が「既存住宅売買瑕疵保険」の保険法人に連絡をして、引き渡し前にもう一度検査をおこないます。2回にわたる検査を経て、対象住宅に問題が無ければ保険の加入が認められます。

※「既存住宅インスペクション講習」を修了した人が検査をおこなう場合は、検査は1回だけで終了します。


検査を実施する箇所は、基礎部や土台など住宅の構造耐力上主要になる部分と、開口部・外壁など雨水の侵入を防止する部分になります。


加入の条件と費用は?

「既存住宅売買瑕疵保険」の加入には、「新耐震基準に適合」しているマンションであることが条件になります。

新耐震基準に適合していれば、築年数は問われません。


1981年(昭和56年)以降に建築確認を受けたマンションであれば、新耐震基準に適合した構造になっているはずです。

もし、それ以前に建築確認を受けた築の古いマンションの場合は、「耐震基準適合証明書」などを提出する必要があります。


加入時には、「保険料」と「現場検査手数料」が必要になります。対象住宅の面積・保険の期間などによって異なりますが、専有面積が70㎡程度のマンションであれば5~10万円程度です。保険料の支払いは加入時の1回だけです。


「宅建業者タイプ」の場合、費用の支払いは売り主である不動産業者が負担しますが、「個人間売買タイプ」の場合は、売り主と買主のどちらが負担するか決まりはないので、両者で話合って決めるのがいいでしょう。


基本の保証内容は?

「既存住宅売買瑕疵保険」で保証されるのは「構造」と「雨漏り」です。

基礎・壁など、建物の主要な部分ということです。雨漏りとは、外壁・開口部などになります。


不具合が発生したときには、保険の契約者である検査機関に連絡をして保険会社とやり取りをする形になります。保険料の請求に関しても保険の契約者である検査機関がおこないます。


中古マンションが「保険の保証を利用できる機会」

この保険について認識しておきたいのは、「保険の対象はあくまでも構造雨漏りに関する部分」であるという点です。


マンションの場合このような部分は「共用部」になるため、補修についてはマンションの管理組合で検討して修繕積立金で対応できる部分なのです。

つまり一戸建てに比べると、マンションの場合は「既存住宅売買瑕疵保険」の保証を利用する機会は少ないといえます。


では、保険に加入する意味やメリットはどのような点にあるか、ご説明していきましょう。


『既存住宅売買瑕疵保険』に加入するメリット

「既存住宅売買瑕疵保険」に加入することで、メリットとなる点がいくつかあります。

中古マンションの購入や売却を検討している場合には注目すべき部分ですので確認しておきましょう。


メリット①さまざまな税制の優遇を受けられる

「既存住宅売買瑕疵保険」に加入しているマンションの場合、住宅ローン減税・買換えの特例・住宅取得資金の贈与の特例などを受けることができます。

さらに、登録免許税や不動産取得税が安くなるメリットがあります。


一般的に、この保険に加入しなくても築25年までのマンションであれば、住宅ローン減税を受けることができます。

しかし、制度の対象外である築25年超えのマンションの購入をする人にとっては「既存住宅売買瑕疵保険」の加入で「住宅ローン減税」を受けられるので、メリットの大きい保険といえます。


メリット②買主も売り主も安心できる「保証」

対象となる中古マンションは、「検査機関」の検査を受けるため、買主も売り主も安心して売買をおこなうことができます。

入居後に不具合が見つかっても保険の対象であれば補修費用は保険でカバーできるので、費用をめぐってトラブルが起こることもありません。


メリット③売却時には物件のアピールになる

これから、中古住宅の売却活動を始めようという場合、「既存住宅売買瑕疵保険」に加入しているマンションは売却もしやすくなります。

検査機関の検査にパスした「信頼できる建物」の証明になり、欠陥住宅を買ってしまうのではないか・・・という買主の不安材料を払拭することができます。


物件の販売広告やチラシに、「既存住宅売買瑕疵保険加入物件」と記載してアピールしておきましょう。

このような理由から、最近では売却活動を始める前に、検査と保険の加入を済ませておく人も増えています。


独自の保証をおこなっている会社もある

中古住宅を流通する大手不動産会社では、会社独自の保証制度を導入する動きが盛んになっています。

保証期間は2年程度、保証金額の上限は500万円程度となっています。各会社によって、対象となる中古住宅の条件は異なりますので詳細の確認が必要です。

こうした民間の保証に加入しても、税制の優遇は一切ないのがデメリットになるでしょう。


小野田コーイチ

小野田コーイチ

岡山県出身。青山学院大中退。 不動産業界に約30年。売買仲介、賃貸仲介に幅広く精通。 仲介だけでなく物件の買取、相続不動産案件、リフォーム提案、投資案件まで対応可能なマルチ・プレイヤー。 自身の不動産会社を経営した経験もあり、その知見は一般的な不動産営業マンと一線を画す。 2012年よりわくわく不動産の『専属不動産エージェント』として業界に新たな風を吹き込んでいる

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